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アートのみかた

村田 真

美術ジャーナリスト

フジター色彩への旅

藤田嗣治は美術界で頂点をきわめたことが2度ある。1度目は1920年代、乳白色の繊細な女性ヌード画によって。2度目は1940年代前半、暗褐色の壮絶な戦争画によって。両者は同じ画家が描いたとは思えないほど対照的だが、共通しているのは、どちらも色味が少なくモノクロームに近いことだ。同展は、そんなフジタの「色彩」に焦点を当てた展覧会。出品は初期から晩年まで幅広いが、1920年代と40年代は比較的少なく、1930年代の中南米などを旅した時期と、戦後パリに移住してからの晩年が多い。旅することで異国の文化や風土に触れ、色彩を呼び起こしたのだろうか。圧巻は、さまざまな職業に扮した子供たちを描いた連作「小さな職人たち」で、同館所蔵の96点が一堂に展示されている。

21/5/2(日)

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