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高崎 俊夫
1954年生まれ フリー編集者、映画評論家
教誨師
18/10/6(土)
有楽町スバル座
大杉漣はいわゆる名優という形容が全く相応しくない不器用な役者だった。私は初期の高橋伴明、ユニット・ファイブのピンク映画時代から見ているからはっきり断言できる。 図らずも遺作となった『教誨師』は彼の生涯を集約する代表作となった。それは饒舌から沈黙に至るさまざまな屈託を抱えた六人の死刑囚たちと末期の対話を続ける、きわめて特異な役柄ゆえでもある。徹底して受けの芝居を強いられ、生来の不器用さが滋味あふれる燻...
18/10/2(火)