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時代劇研究家ですが趣味は洋画観賞。見知らぬ世界に惹かれます。

春日 太一

映画史・時代劇研究家

グリーンランドー地球最後の2日間ー

ジェラルド・バトラーが地球の危機に立ち向かう映画。だが、全くもって一筋縄ではいかない。 まず序盤から盛り上がりが凄い。 地球に大量の隕石が降り注ぎ、多くの人命が危機にさらされた。主人公一家を含む無作為に抽選された人々だけが特別に軍用機で極秘シェルターへの避難を認められる。だが、選ばれなかった人々が暴徒化。主人公たちも巻き込まれ、離ればなれに。 スピード感あふれる展開の中でひとつひとつの設定や描写を丁寧に描いているため、グイグイと引き込まれる。そして何より、命の選別とそれにともなう民衆のパニック……今の世界状況下で実に生々しく感じられた。 地球が破滅する前に主人公は家族と再会し、グリーンランドにあると言われるシェルターにたどり着くことはできるのか……。 隕石による破壊そのものよりも、危機的状況下で醜さを露呈した人々との闘争に重きを置いた構成が奏功。濃密な人間ドラマとサスペンスとを織り交ぜつつ危機また危機の連続が繰り広げられる、見ごたえある作品となった。 妻の父親役のスコット・グレンがさすがの頼りがいを見せてくれるのも嬉しい。

21/5/29(土)

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