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水先案内人のおすすめ

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歌舞伎とか文楽とか…伝統芸能ってカッコいい!

五十川 晶子

フリー編集者、ライター

歌舞伎座『六月大歌舞伎』(夜の部『風雲児たち』)

夜の部は「三谷かぶき」と銘打って新作歌舞伎『月光露針路日本 風雲児たち』が上演される。三谷と松本幸四郎、13年ぶりのタッグだ。パルコ歌舞伎『決闘!高田馬場』をご覧になった方も多いだろう。そのときの客層には、パルコ劇場に来るお客や三谷作品のファンが多数を占めるのかと思いきや、歌舞伎座に来ている客層が最も多かったという。だからこそ、あの『高田馬場』の”凄さ”を分かった人も多かったのでは。 幸四郎(当時染五郎)や市川猿之助(当時亀治郎)はもちろんだが、市村萬次郎や市川高麗蔵といった、いつもの大歌舞伎では脇をしっかりと固めている実力派の役者たちが、こぞって弾けに弾けていたことが新鮮だった。彼らをはじめとするベテランたちが人物の造形をどんどん膨らませたからこそ、非常に面白い群像劇になっていたのだろう。また、長唄連中や鳴物、黒御簾のみなさんの奏でる音、立ち回りや早替り……。歌舞伎を構成する要素が一旦シャッフルされ見事に混然一体となり、三谷幸喜の演出の下、再構築されていた。一見すごく現代劇、なのにどこをどう切っても、歌舞伎以外の何物でもない。歌舞伎の底力を見せつけられた思いがした。 とういことで今回の三谷かぶきも期待できそうだ。歴史上の人物を歌舞伎作品にするのなら珍しくはないが、『風雲児たち』というみなもと太郎の長編歴史ギャグマンガが原作だ。松本白鸚、市川染五郎という高麗屋三代が出演することもさることながら、猿之助、片岡愛之助という三谷作品でおなじみの手練れが揃う。三谷が信頼を寄せる八嶋智人も出演。 そして今回の起爆剤の一つとなるのではないかとひそかに思っているのが、女方の坂東竹三郎。主に上方歌舞伎で活躍する綺麗で渋いベテランの女方。原作を頼りに想像すると、日本からやってきた若い船乗りの一人と恋仲になるロシア人女性の役だ。『高田馬場』の時の萬次郎のような弾けっぷりを見せてくれるのではと期待する。 改めて、今月は幸四郎の活躍がすごい。昼の部の一幕目が『寿式三番叟』。尾上松也と二人の三番叟という趣向で、踊りに踊った後、夜の部の、それも新作歌舞伎の主役として出ずっぱりだ。その体力と気力の充実ぶりたるや、いったいどうなっているのか。 昼の部はほかに『女車引』『梶原平三誉石切』『恋飛脚大和往来 封印切』。

19/5/24(金)

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