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大島 幸久
演劇ジャーナリスト
新国立劇場の演劇『タージマハルの衛兵』
19/12/2(月)~19/12/23(月)
新国立劇場 小劇場
演出の小川絵梨子によればこれはダークコメディだという。ラジヴ・ジョセフによる日本初演の『タージマハルの衛兵』だ。物語を知ると、とても喜劇的とは思えない。スリリングでむしろ悲劇とさえ思える。 時と場所は1648年のインドはムガル帝国。建設が完成近いタージマハル。歴史上、最も美しい建造物である。帝国の皇帝陛下、イコール国家から命令が下される。それは冷酷だった。「タージマハルに並ぶ美しい建造物を今後決して生み出すな」。従って、建設に関わった人々の手を切り落とせの命令。衛兵の律儀なフマーユーンが成河、夢想家バーブルが亀田佳明。私語厳禁、しかし会話や言動の違いで展開する二人芝居である。
19/12/1(日)