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水先案内人のおすすめ

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日本映画注目作を中心に、旧作上映まで幅広く

樋口 尚文

1962年生まれ 映画監督、映画評論家

みをつくし料理帖

30代にしてアメリカン・ニューシネマに憧れて映画会社を立ち上げ、意表をつく題材と宣伝戦略で初期角川映画の絢爛たる時代を築いた角川春樹が、78歳にして最後の監督作として選んだ原作がこれであることにまず驚く。あの自らの監督作でもギラギラと見せ場を数珠つなぎにしていた角川春樹が、本作では全篇てらいなく、贅肉もなく、まるであの松本穂香の欲も得もないヒロインに感応するがごとくに、いたいけな少女の絆の物語を紡いでみせる。正直そこまで期待していなかったのに、途中「まるでマキノ雅弘」とさえ思わされて(不覚にも!)二度涙ぐんでしまった。石坂浩二、薬師丸ひろ子をはじめ、初期角川映画を彩ったスタアたちが勢ぞろいで脇を固める布陣に、なんだかんだあっても角川春樹の果たした業績への畏敬がにじんで泣けた。

20/10/12(月)

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