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水先案内人のおすすめ

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邦画も洋画もミーハーに、心理を探る作品が好み

伊藤 さとり

俳優や監督との対談番組を多数、映画パーソナリティ

AWAKE

木下グループ新人監督賞グランプリというだけあって脚本はもちろん、感情を表現する描写が素晴らしい。将棋の世界で生きた子供たちが成長し、ひとりは棋士を諦め、ひとりは天才棋士となって再び対戦するというシンプルな物語がAI将棋という発想によって一気に『ソーシャル・ネットワーク』を彷彿させる色合いを見せるのです。 将棋のルールが分からなくても引き込まれる理由には、青年ふたりの声にならない闘志だったり、お互いを意識する見えない視線を感じさせる演技もあり、吉沢亮氏と若葉竜也氏というコントラストにも惚れ惚れしたから。 将棋を打つ姿も見事で、座り方や背筋、首の角度まで計算し尽くした演技であり、テレビで見る棋士そのもの。もちろんそれぞれの性格も、目の動きや首のすくめ方、声の出し方、歩き方などで胸の内が読めない深みのあるキャラクターに見えてくるというこだわり。違うようで実は似ているかもしれないライバルの行く末を、将棋盤のマス目を少しずつ進めるように見せていく画にも見惚れる作品です。山田篤宏監督の今後の作品にも期待が膨らみました。

20/12/22(火)

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