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日本で(多分)一番多くの映画を観る(年間800本!=新作、旧作も入れると…)映画評論家

野村 正昭

映画評論家

浜の朝日の嘘つきどもと

福島県、南相馬に実在する映画館「朝日座」は、100年近い歴史を持つ名画座だが、シネコンの台頭で経営状態は厳しく、既に閉館が決まっている。フィルムを一斗缶に放り込み、火をつける支配人の森田(柳家喬太郎)のもとに、ひとりの女性が現れる。「朝日座」を立て直すために、東京から来た“茂木莉子”と名のる彼女(高畑充希)は、この町に住みこみ、打つ手がないと諦めていた森田も、その熱意に心を動かされるが……。「朝日座」再建を主張する莉子の動機が泣かされる。映画の黄金時代への郷愁を描き、感傷ばかりが目立つ映画愛の映画が多い中で、この作品は一味ちがう。莉子は“ある人との約束”で果敢に行動するのだ。彼女の恩師、茉莉子先生(大久保佳代子)の扱いも実に鮮やか。土地の再開発に動く側も一方的に攻めるのではなく、その立場を描き、これぞタナダユキ監督の“映画愛”に充ちた良作だ。

21/8/31(火)

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