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白坂 由里

アートライター

描く、そして現れる ― 画家が彫刻を作るとき

パブロ・ピカソ、フランク・ステラなど、彫刻も作った画家って結構いるものだ。絵画を描くために彫刻を作る、平面では表現しきれず、四角い枠を飛び出して立体を作るなど、その理由はさまざま。国内外約20人の画家たちの絵画と彫刻を見比べながら、彫刻家が作る彫刻とはどこが違うのかを探る、あまりない大事な企画。 現実にはないものを描く画家は、彫刻の「こうあるべし」という理想や概念を覆し、拡張していく。重力を表現し抗うのではなく、寝かせてしまった岡本太郎。わずかな重量で支え、弱く儚い線で表現したサイ・トゥオンブリー。ブロンズや木などではなく、(キャンバス出身を連想させる)布でできた草間彌生やクレス・オルデンバーグのソフト・スカルプチャー。絵具の筆跡のイメージを立体化したロイ・リキテンスタインは、素材の色にあまり手を加えず光と影で表す彫刻に対して、色を塗り、現実にはない輪郭線も描いちゃった。 彫刻家だと思っていたらもともと画家だった、で腑に落ちることもある。現在、原美術館とHARA MUSEUM ARCで開催中の「加藤泉展」をはじめ、今の画家を考えるヒントにもなる。

19/10/5(土)

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