見事なまでに繊細に構築された人間ドラマだ。 結婚相手の酷いDVに苦しめられてきたサンドラは、ふたりの子供を連れて家を出る。が、なかなか住環境が厳しい。 そこで彼女は自分自身の手で家を建てることにした。 「家を建てる」 本作で描かれるのは、ただそれだけのことだ。が、その姿はとてつもなく熱く、サンドラの奮闘に心から応援したくなる。 心身の傷に苦しめられながら必死に現実と立ち向かうサンドラ。彼女の熱意に次々と現れる協力者たち。熱い。 もちろん、話は一筋縄ではいかない。特に復縁を迫る結婚相手の存在が彼女を苦しめ続ける。捨てきれない愛情とトラウマ。その心理描写はどこまでも繊細だ。

21/3/31(水)