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山内宏泰
ライター
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×鴻池朋子「鴻池朋子 ちゅうがえり」
20/6/23(火)~20/10/25(日)
アーティゾン美術館
鴻池朋子はここで個展の展示を構成したというより、新しい神話の世界を本気で丸ごと創造し、現出させようとしている。そこかしこに配置されているのは確かに彼女のドローイングや、謎の顔をかたどった立体造形、襖絵に、多量の獣皮を縫い合わせた《皮トンビ》などの「作品」ではある。けれど鴻池によって展示空間に注意深く並べられると、それぞれのモノは私たちが訪れるずっと前からここに存在していたのではという気がしてくる。それくらいすべてのモノが場にしっくり溶け込んで、互いに良き関係を結んでいるように見える。 この場に身を置くことは、鑑賞というよりも、明らかに一つの強烈な体験だ。
20/8/6(木)