自社の古典アニメ＆自社のアトラクションの実写化に注力し、恵まれた遺産＆資産をフル活用しているディズニースタジオの最新作が『ジャングル・クルーズ』。あのディズニーランドの人気アトラクションをベースにした秘境探検ものだ。 これが思いの外楽しいのは、大ヒット作のいいとこどりをしているから。『ロマンシング・ストーン／秘宝の谷』や『レイダース／失われたアーク《聖櫃》』、そして全体的なトーンと展開は『パイレーツ・オブ・カリビアン』！　しかも役者がジョンソン＆ブラントという芸達者ペアなのだから問題もない。 だが、映画ファン的にもっとも嬉しいのは、往年の作品へのオマージュだったりする。あのヘルツォークの『アギーレ／神の怒り』で知られるアギーレが重要な役割を果たし、主演ふたりの関係性と川下り＆時代性で言えば、ハンフリー・ボガート＆キャサリン・ヘプバーンの『アフリカの女王』と重なり合う。ブラントが、女性にもかかわらずパンツを愛用しからかわれるところなど、ヘプバーンへのオマージュとしか思えず、ついついニヤニヤしてしまった。

21/7/29(木)