宗教団体がPRのために作った映画というと、敬遠する向きもあるかもしれないが、たとえば創価学会が1973年に製作した映画『人間革命』などは確かに学会の教義をえんえんと話す部分も多いのにアクションから特撮まで見せ場も多く、2代会長を熱演した丹波哲郎は毎日映画コンクールの男優賞まで獲得してしまった。 そんなこともあるので、そしてなぜか黒沢清作品の名カメラマン・芦澤明子さんらも参加しているので、初めて幸福の科学の映画を試写で観た。結論から言えば、善し悪しとかそういう問題ではなく、あまりの珍品度合いで面白すぎた。こういうものは、狙って作れるものではない。本当にひたすらエクソシスト少女の活躍を、あまり聞き覚えのない俳優たちが一所懸命演じているのだが、こんなにアホらしくて面白い映画を作ってしまって、皮肉でもなんでもなく、本当に愉快な映画だった。もう最後の主題歌のあたりなどはお腹が痛いくらい笑って観ていたのだが、そういう見方は不謹慎なのだろうか。昔、『愛・旅立ち』という霊感映画を観た時のとまどいと爆笑を思い出した。

20/6/3(水)