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日本で(多分)一番多くの映画を観る(年間800本!=新作、旧作も入れると…)映画評論家

野村 正昭

映画評論家

調査屋マオさんの恋文

ジャンルで分類するならば、この映画は介護ドキュメントになるのだろうが、観ているうちに、そこからどんどん逸脱してくるように感じてしまうのは、主人公である佐藤眞生(マオ)さんの人柄に惹かれてしまうからだろうか。ドキュメンタリーというより、心温まるエッセイを読んでいるような気分になった。今井いおり監督は最初は「自給自足しているおじいさん」を取材するつもりで撮影をはじめたが、マオさんがことあるごとに妻の話をするので、映画の方向が変わってきたという。特別養護老人ホームに入居している妻の元に、マオさんは毎日通う。マオさんがかつて日本では珍しい 市場調査の会社を立ち上げたこと、家庭崩壊、そして認知症になった妻との交流、マオさんが塾長を務める縄文直観塾の話。昭和から平成、令和へと至る夫婦の豊かな時間の流れが描かれ、心搏たれる。

20/12/18(金)

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