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インディペンデント、自主映画、ドキュメンタリー、映画祭、特集上映などを中心に

水上 賢治

映画ライター

カスリコ

ひと言でいえば、“ザ・昭和”映画とでもいおうか。モノクロームの映像で映し出されるシーンは、土佐、昭和40年代、賭場といったキーワードと相まって、雑多で人間がなにかギラギラしていた昭和の空気を見事に再現している。 しかも、主人公の吾一は近年の映画にはほとんど登場してこない道を外した人物。ダメ男や草食系男子全盛、ヤクザでさえすごみよりも知性を兼ねるような人物が話の中心にいる近年の日本映画で、ここまでほんとうに危うさを漂わす男は久しくみていない気がする。そういう意味で、本格アウトロー映画といってもいいかもしれない。 主人公の吾一を演じた石橋保ほか、宅麻伸、高橋長英、小市慢太郎、高杉亘ら実力と独特の個性を持つ俳優たちが勢ぞろい。こういうベテラン俳優たちが前面に出てくる映画がもっとあっていい。

19/6/22(土)

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