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水先案内人のおすすめ

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ノージャンル、ノーボーダー。個人的アンテナに引っかかるもの

佐藤 久理子

パリ在住、文化ジャーナリスト

水を抱く女

水の精ウンディーネの神話を、ドイツの巨匠クリスティアン・ペッツォルトが現代を舞台に脚色した物語。ヒロインはベルリンに住む歴史家で、恋人に一方的に捨てられるものの、その直後に運命の男性に出会う。だが、彼女は悲劇的な宿命を背負っている。 情熱的なラブストーリーとヒッチコック風のサスペンスが融合し、先の読めない面白さに引きずられる。 映画の看板を担う、『婚約者の友人』でブレイクした女優パウラ・ベーアがなんとも魅力的だ。情念の激しさと脆さ、可憐さのバランスが謎めいた雰囲気をたたえ、目が離せない。 それにしても、ベルリンがもともと沼地であり、スラブ語で“沼”を意味すると、この映画で初めて知った。まさに水の精が潜むに相応しい街だったのだ。

21/3/20(土)

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