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水先案内人のおすすめ

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夏目 深雪

著述・編集業

燃ゆる女の肖像

セリーヌ・シアマの新作で、女性として初めてクィア・パルム賞を受賞。18世紀を舞台に、女性画家マリアンヌと彼女に見合いのための肖像画を描いてもらうエロイーズ、二人の女性の恋を描く。 シアマ作品の常連であるアデル・エネルが素晴らしい。マリアンヌにとって生涯の女性となるエロイーズをその美しさと威厳で説得力をもって演じている。視線や動きで恋の芽生えや気持ちの高まりを表現する演出も繊細かつゴージャス。性描写はほぼないが官能性に満ちているのもさすが。自分の名前では展覧会に絵を出すことも敵わないマリアンヌと、親の決めた結婚に逆らえないエロイーズ。18世紀の女性の置かれた状況がその恋を私たち観客にとっても忘れられないものにする。

20/11/30(月)

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