ミシュラン史上最年少で3ツ星を獲得し、今では18ツ星に輝く料理界の生きた伝説ーーと言われているアラン・デュカスに2年間密着した『アラン・デュカス　宮廷のレストラン』は、今までに観た数え切れないドキュメンタリー映画の中でも間違いなく5本の指に入る大傑作だ。 自らを“宣伝”することを極端に嫌い、映画化のオファーから1年間、頑として首を縦に振らなかったデュカスを説得したのは、社会派の映像作家として高く評価されているジル・ド・メストル監督。映画のタイトルはヴェルサイユ宮殿に“王の食卓”をオープンするデュカスの挑戦からきているものだが、それは全体の展開の軸でしかなく、見事なまでに「夢を追う探険家であり...

18/10/16(火)