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時代劇研究家ですが趣味は洋画観賞。見知らぬ世界に惹かれます。
春日 太一
映画史・時代劇研究家
ガンズ・アキンボ
21/2/26(金)
TOHOシネマズ 日比谷
意味が分かりにくいタイトルとダニエル・ラドクリフの両手が拳銃というキービジュアルで、ひたすら「?」になって敬遠する人がいるかもしれない。 が、燃える展開と派手なアクションとユーモラスなコミカル描写……と、実は完璧に仕上がっている娯楽映画なのだ。 舞台は実際の殺し合いをゲームのように実況中継する闇サイト。主人公はそこに匿名で過激な書き込みをすることで日頃の憂さを晴らしているクズなのだが、あまりに酷い書き込みが続いたため、罰として両手に拳銃をくくりつけられ、ゲームに強制参加させられる。対戦相手は最強の殺し屋である少女。ひたすら逃げる主人公の様が全世界に中継されてしまう。 “両手に拳銃”という設定がただの出落ちではなく、サスペンスにコミカルに、抜群に効いている。カーチェイス、ガンアクション、頭脳戦、どれをとっても一級品。少女のキャラクターも実にカッコいい。 徹頭徹尾スカッと楽しく、嫌な気分を一掃してくれる一流のエンタテインメントだった。
21/2/24(水)