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アートのみかた

村田 真

美術ジャーナリスト

ギュスターヴ・モロー展 ― サロメと宿命の女たち ―

期せずして『クリムト展』と重なった『モロー展』。グスタフ・クリムトとギュスターヴ・モローは、ともに世紀末芸術を代表する象徴主義の画家で、名前も同じ。どちらも「宿命の女(ファム・ファタル)」を描き、独身を貫いた点も共通している。そして意外なことに、クリムトはシーレやココシュカを通して、モローはマティスやルオーを通して、20世紀の表現主義の道を切り拓いた画家でもあるのだ。同展はサロメをモチーフにした絵画を中心とする展示。サロメは父ヘロデ王の前で踊ったほうびに、洗礼者ヨハネの首を求めたという「魔性の女」で、退廃的ムードの漂う世紀末に好んで描かれた。主題もさることながら、表現主義的な筆致にも注目したい。

19/5/31(金)

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