青年団は彼らの擁する演劇学校・無隣館出身者をはじめ、さまざまな若手の自主企画を行っているけれど、この自主企画には驚いた。ハイバイ所属で、舞台でも映像でも活躍を続ける川面千晶と、ナイロン100℃所属、背が高くつい目で追ってしまう女優・菊池明明が自分たちで芝居をやろうというのだから。 演目はナイロン100℃が24年前に上演した『4.A.M』。ケラリーノ・サンドロヴィッチが得意とするシリアス・コメディ、その初期に書かれた5人芝居だ。二人のほかに出演者としては川上友里、大竹直、串尾一輝といった、彼女たちがさまざまな作品を通じて出会ってきた役者たちが揃う。演出は贅沢貧乏の山田友梨。 俳優が自主的に公演をする。もちろんゼロではないけれど、チラシを見かけるたびに「おっ」と思うのだから、実感としては決して多くはないと思う。私は俳優たちが、自分から演目を選んで、演出家を選んでつくる作品をもっと観たいと思っている。彼女たちのこの作品が成功することで、ほかの役者たちが立ち上がる契機になったら観客としてはとてもうれしい。

19/7/28(日)