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巨匠から新鋭まで、アジア映画のうねり

紀平 重成

1948年生まれ コラムニスト(元毎日新聞記者)

KCIA 南山の部長たち

1979年に韓国の現職大統領パク・チョンヒが直属の諜報機関トップであるKCIA部長に射殺されるという実話を基にしたフィクション。権力闘争?いや独裁政治に反発しての義憤による凶行、とも言われながら今なお歴史の闇に包まれた事件に独自の解釈で迫ります。 その解釈とは、同部長が愛国心と大統領への崇拝の念を持ちながらも、静かに燃える野心も秘め、どうにか心のバランスが保たれている中、大統領に裏切られていることを知り凶行に及んだという内容です。大統領の発言を盗聴で知り呆然とする部長の驚きと悲しみに揺れる表情は「七色の眼差し」を持つと筆者が信じるイ・ビョンホンだからこそ演じられる作品のハイライト場面でしょう。ケースは異なりますが織田信長から疎んじられ追い詰められていく明智光秀の謀反の事例を重ねて見てしまいます。 暗殺実行者となったキム・ジェギュ部長は絞首刑となり実際の思いはもはや聞く手立てはありませんが、映画で繰り返し描かれる権力闘争や、そこから派生するもめ事の数々には人を寄せ集めないではおかない蜜の味がするのでしょうか。

21/1/18(月)

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