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日本で(多分)一番多くの映画を観る(年間800本!=新作、旧作も入れると…)映画評論家

野村 正昭

映画評論家

望み

『ケイゾク』『TRICK』『SPEC』シリーズなどに代表されるように、堤幸彦監督の映画は、人気TVドラマの劇場版というか、バラエティの延長のような形で作られ、受けとめられてきたが、近年は、その席を福田雄一監督あたりに譲り渡し、例えば『悼む人』(15)や『人魚の眠る家』(18)などのように、真っ向から人間を捉えようとする作品にシフトしているように見えた(その傾向は『明日の記憶』(06)の頃から顕著だったが)。 最新作『望み』は、『犯人に告ぐ』や『検察側の罪人』の雫井脩介のベストセラー小説を原作に、息子が殺人事件に巻き込まれ、果たして加害者なのか、被害者なのかと悩む家族の姿を正攻法で撮った意欲作だ。父親と母親、ふたりの〈望み〉が微妙にずれ、その葛藤が見どころだが、衒いのない演出は、堤監督の映画作家としての成熟を感じる。

20/10/5(月)

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