Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

音楽は生活の一部、映画もドキュメンタリー中心に結構観ています

佐々木 俊尚

1961年生まれ フリージャーナリスト

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実

いま見ても価値がある、非常にスリリングな討論会。三島由紀夫が市ヶ谷の自衛隊で自決する前年、1969年という学生運動が最高潮に達していた年。東大全共闘に招かれ、右派の象徴的存在だった三島はまるで敵地に乗り込むように駒場キャンパスに向かい、大講堂で1000人の学生たちと対峙した。 日本人は古来から天皇を抱きこの風土の中で生きてきて、その土着性からは逃れられないという保守の立場をとる三島。それに対して、日本人であっても新しい理念の中で人間は昇華され、新しい世界へと入っていくのだと反論する全共闘。この対立構図は古典的なまさしくリベラルvs保守なのだけれど、学生運動がこの3年後に連合赤軍事件にたどり着き、さらには内ゲバで大量の死者を出していくことになる流れを後から振り返れば、三島の言葉がなんとも皮肉に刃を突きつけていたという感もある。 ちなみに試写では字幕がなく、この時代特有の言い回しも多いため、言葉の応酬には分かりづらいところもあった。公開の際には日本語字幕を求めたい。

20/3/17(火)

アプリで読む