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やっぱりSF映画が好き!

渡辺 麻紀

映画ライター

ロケットマン

『ボヘミアン・ラプソディ』をはじめ、偉業をなした故人をテーマにした映画は“美談”になる傾向が強く、当時のことを知っているとその忖度に不満を抱く場合もある。ところが、『ロケットマン』は今も現役バリバリのエルトン・ジョンを描いているにもかかわらず、美談にするつもりもなければ忖度するつもりも(きっと)ない。彼の幼少期からトップに君臨した時期までを彼自身のヒット曲に乗せて描ききる。 真実も虚構もすべて一緒くた。歌もダンスもすべて一緒くた。喜びも悲しみも一緒くた。愛と憎しみだって一緒くた。 そうすることで破天荒な生き方も、傷つきやすい人となりも、悩み多き素顔もしっかりと浮かび上がってくる。監督も、演じたタロンも、エルトンの凄さや偉業ではなく、エルトンその人を描き、彼の真実を伝えようとしているのだ。だからこの作品、何と言ってもまず伝記映画として素晴らしい。

19/8/19(月)

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