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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

若尾文子映画祭

『しとやかな獣』(3/19、3/21、3/23、3/28、3/31) 角川シネマ有楽町 「若尾文子映画祭」(2/28〜4/2)で上映 カンヌ国際映画祭、アカデミー賞受賞で世界的に注目されるポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』が我が国でも大ヒット、その勢いが止まらない。 監督デビュー作『ほえる犬は噛まない』からの彼のファンだから嬉しい。だが、これだけ話題が『パラサイト』一辺倒になると「日本映画にも『しとやかな獣』というパラサイト映画があるんだぜ」、と囁きたくなることもある。 というのも『パラサイト』を観て、強く連想させられたのが川島雄三監督の『しとやかな獣』だからだ。 現代の韓国と高度経済成長期の日本という時代相の違いはあるが、現代人の欲望を腑分けし、格差を風刺するテーマが共通している。具体的には、『パラサイト』の4人家族が結束して大富豪をだましまくる姿は、『しとやかな獣』における社会から取り残された4人の詐欺師一家の物語によく似ているのだ。失業中(働く意思がまったくない)の父親、どん欲な母親、無気力な長女、目が出ない長男…家族構成もそっくりだ。 団地の一室のみで展開される舞台劇的なディスカッション映画『しとやかな獣』に対して、『パラサイト』は、〈半地下〉の一室と高台の豪邸のふたつが舞台。故に密室劇とは言い難いのだが、カメラがそのふたつを往還するドラマ構造が極めて密室劇的で『しとやかな獣』と似ている。 日本映画に精通しているポン監督。上下左右、縦横無尽に考え得る限りのアングルから狭い団地の一室に広がりを与えている『しなやかな獣』を、『パラサイト』を撮るにあたって研究していたに違いない、という想像はけっこう楽しい。

20/3/15(日)

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