立川談志が亡くなって10年、命日の21日の翌日に行われる落語会がこれ。「ゆみちゃん」とは談志の長女松岡ゆみこのこと。彼女が談志の弟子だったダンカンと談志に因んだトークを展開する。その後に、立川談春の落語がある。 トークではどんな内輪話が出てくるのか楽しみだが、10年たっても談志の話題は尽きず、今年も談志についての本がいくつも出た。なかでも立川談慶の『不器用なまま、踊りきれ』と立川キウイの『談志のはなし』は、談志のエピソードが満載。「新聞で信用できるのは、日付ぐらいだ」「努力とは馬鹿に与えた夢である」など、談志のもとで長い前座修業を務めた者だからこそ知りえた話が飛び切り面白い。 「ゆみちゃん寄席」では、身内ならではのエピソードが出るに違いない。談志の高座に惚れた人も、その機会を逸してしまった人も、落語を通して、現代を語り続けた立川談志という天才の中身を覗く絶好の機会ではなかろうか。

21/11/16(火)