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水先案内人のおすすめ

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王道をゆく日本映画を中心に、問題作、旧作日本映画も

大高 宏雄

1954年生まれ 映画ジャーナリスト

リラの門〈4Kデジタル・リマスター版〉

ルネ・クレール監督の1957年公開作品である。本作で特筆すべきは、ダニー・カレル演じるヒロイン・マリアの存在だ。日本人好みの可憐な顔をしながら、膝が隠れるタイトなスカート、薄手のセーター風上衣から、色気ある風情がにじみ出る。その象徴が、上衣から飛び出たような胸の膨らみだ。ブラジャーシーンもある。この外見が特筆すべきというのではない。逃亡犯をかくまう2人の男が話の中心にいるのだが、いつの間にか、このヒロインがその座を獲得している。彼女が、犯人を含む3人の男の間を派手に揺れ動くからだ。彼女の本能に任せたような恋情の不可解さこそ、本作の魅力であり、特筆すべき点だと言っていい。どこかフワフワしている感じが、映画のなかの男たちはともかく、傍観者として見ている側としては何ともたまらない。

19/6/27(木)

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