Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

私たちの青春、台湾

『台湾人生』『台湾アイデンティティー』『湾生回家』など、台湾をテーマにしたドキュメンタリー映画に傑作は多い。本作『私たちの青春、台湾』も後世そう評価されるかもしれない優れたドキュメンタリー映画だ。 新型コロナ感染を見事な手腕でくい止めた蔡英文総統誕生の契機になった2014年の「ひまわり運動」が、大きなテーマになっている。23日間に及ぶ若者たちによる台湾立法院占拠という政治事件を記憶している方も多いだろう。 本作はその運動のリーダー陳為廷(チェン・ウェイティン)と、中国大陸から台湾の大学に留学し台湾における“民主”のあり方をブログで伝えて大反響を起こした人気ブロガーの蔡博芸(ツァイ・ボーイー)の行動を追いながら、香港の「雨傘運動」前の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)、周庭(アグネス・チョウ)との交流をも描いている。 日本人も他山の石とは思えない台湾・香港の危機。中国の露骨な侵略にさらされている現在だからこそ、台湾の「民主化の苦難」を描いた本作を多くの人に観ていただきたいと思う。 傅楡(フー・ユー)監督は1982年、マレーシア華僑の父とインドネシア華僑の母との間に台北で生まれた女性監督。本作は2018年金馬奨と台北映画祭で最優秀ドキュメンタリー映画賞を受賞している。

20/10/27(火)

アプリで読む