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水先案内人のおすすめ

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現代の名人芸を追い続ける

山本 益博

1948年生まれ 料理評論家、落語評論家、プロデューサー

林家正蔵独演会 「正蔵の會」

現九代目林家正蔵の最近の高座の進境が著しい。私は前座のこぶ平時代から林家三平の長男として高座を見てきた。二つ目時代には「こぶ平・小太郎(若くして亡くなった四代目桂三木助の二つ目時代の名前)」の二人会『天国のお父さん、見ていて下さい』をお手伝いしたりした。 当時は、「かえるの子はかえる」と思えるような不器用だが面白い高座で、古典落語の道をまっしぐらに進むようにはとても思えなかった。 ジャズ評論もできるくらいの力量があり、2005年九代目林家正蔵を襲名してからは、その興味を歌舞伎や人形浄瑠璃などの古典芸能に向け、精進を続けてきた。襲名当時聞いた『子別れ』などは一層磨きがかかり、近年、評判高い『蜆売り』や『ねずみ』『鼓が滝』など、じっくりと聴かせる噺も、すっかり手の内に入ってきた。 これからは、ぜひとも滑稽噺を、正蔵ならではの面白い落語として聴かせてほしいと思う。先代の林家正蔵(のちの彦六)も、『宿屋の仇討』『あたま山』『一眼国』など、芝居噺、怪談噺以上に印象に残っている。その伝統も引き継いでいただきたい。

19/5/23(木)

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