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木谷 節子
アートライター
マイセン動物園展
19/7/6(土)~19/9/23(月)
パナソニック汐留美術館
ヨーロッパで初めて硬質磁器製造に成功し、今なお人気を誇るドイツの老舗磁器製作所マイセン。19世紀以降この工房で作られた動物をモチーフとした作品に焦点を当てた展覧会だ。マイセンの動物モチーフといえば、アール・ヌーヴォーの時代のミルク色に輝く、かわいらしい動物の置物が有名だが、個人的にワクワクしたのは、その100年前、貴族たちのために制作された陶磁器の数々。とくに大きな透かし壺の中に鳥が入った《スノーボール貼花装飾蓋付昆虫鳥付透かし壺》などの奇想&超絶技巧は、良い意味で変態的である。陶器の小花が表面をびっしりと覆う「スノーボール」の技法は、王妃に枯れない花を贈りたいと願った王様のために発明された技法のようだが、ここまで花がこびりついていると、「やっぱり季節に合わせて花は咲き、枯れた方がいいんじゃない?」と普通に思ったが、いかがだろう?
19/9/5(木)