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音楽は生活の一部、映画もドキュメンタリー中心に結構観ています

佐々木 俊尚

1961年生まれ フリージャーナリスト

ダンシングホームレス

路上生活経験者ばかりが集まったダンスグループの活動を描くドキュメンタリー。この作品が素晴らしいのは、「かわいそうなホームレスたちが踊りで救われていく」というようなステレオタイプではないということだ。上から目線で弱者を描くのではなく、ダンスというものの持っている力をひたすら追い求めている。 グループを主催する振付師のアオキ裕キは、やってきた男性たちに踊りを教えない。「他人に危害を加えない」という以外はルールは何もなく、参加者ひとりひとりの内面から生まれてきた踊りをただ支えていく。社会のルールからこぼれおちた人たちだからこそ、ルールを押し付けるのではなくルールから解放され、そこで初めて自分を承認するということの価値を知り、それを踊りに昇華していく。 その過程が物語として徐々に浮き彫りになっていく。そしてラストの新宿中央公園、西新宿超高層ビル街の夜景と眩しい街灯をバックに、「日々荒野」と第された彼らの踊りは実に神々しく、圧倒的だ。

20/3/2(月)

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