本作が描くのは、第2次世界大戦でイギリスの捕虜となったナチス兵、バート・トラウトマンの実話。捕虜として終戦を迎えた彼は、そのままキーパーとしてイギリスのサッカークラブへ所属し、やがて名門マンチェスター・シティFCを優勝に導く。 作品は、まだ戦争の憎悪が渦巻く中、敵国、しかもナチス兵であった彼をあるイギリスの家族が受け入れ、イギリスのひとりの女性が励まし、やがてユダヤ人コミュニティ、イギリス社会全体もが認めるまでの過程が語られる。 その人物をその人を通してみるのか、国籍や肌の色で判断するのか。あらゆるシーンで分断を煽る傾向がある今、本作は大切ななにかを教えてくれる。

20/10/25(日)