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水先案内人のおすすめ

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夏目 深雪

著述・編集業

この世の果て、数多の終焉

ギョーム・ニクルー監督が、第二次世界大戦末期のインドシナを描いた。仏人兵士が、兄を残虐に殺害したベトナム解放軍の将校への復讐を誓い、理性を失い、ジャングルの奥地に身を投じていく…。 ベトナム人娼婦との情事など今までの戦争映画のクリシェが散りばめられているわりに、最初から引き込まれる。残虐なシーンも臆せずに描き、徐々に〝戦争〟に憑りつかれていくギャスパー・ウリエルの演技に説得力があるのと、今まで日本軍、ベトナム解放軍、仏軍が入り乱れるインドシナの複雑怪奇な歴史を紐解いた映画がなかったせいだろう。 その白昼夢のような地獄は、真底観客を震えさせると同時に、今でも綿々と続いている人間の闇の真実を突いている。

20/8/11(火)

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