評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
NO MUSEUM, NO LIFE.
鈴木 芳雄
編集者/美術ジャーナリスト
ミヒャエル・ボレマンス マーク・マンダース|ダブル・サイレンス
20/9/19(土)~21/2/28(日)
金沢21世紀美術館
ベルギー出身の画家ミヒャエル・ボレマンス(1963年- )とオランダ出身の彫刻家マーク・マンダース(1968年- )。ボレマンスが描くのは、なぜか後ろ手にされた少女、ドレスを来てブカブカのハイヒールを履く首のない(たぶん)女性、顔を黒塗りにした骨格の立派な(たぶん)女性。盛りを過ぎたマグノリアの花。淡々とパンをちぎり、口に運ぶ若い女性の映像も。一方、マンダースの立体作品には女性の顔の断片が含まれていたり、女性の肢体が部分を成しているものもある。作品はまったく違うが、2人の作家に共通して語られることは多い。内省的で静謐な作風、変態的な嗜好(ここでは褒めて言っている)を思わせる形象、ベルギー、オランダという周縁からの発信…。現在、絵画と彫刻のそれぞれの極北である。
20/11/8(日)