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演劇鑑賞年間300本、記者歴40年のベテラン

大島 幸久

演劇ジャーナリスト

『東京原子核クラブ』【配信あり】

『東京原子核クラブ』はマキノノゾミの傑作戯曲だ。青春時代の真ん中は、道に迷っているばかり――と、歌にもあるようにどの時代も若者はばかだ。政治や社会、文学にしても怒りや反発しながら突進する。それでいいのだ。この作品の時代背景は昭和のひとけた。どの時代も若者は同じといっても、戦争の足音が聞こえてくる世相となると、話は少々違ってくる。 舞台は下宿屋の平和館(何と象徴的な名だろう)。登場するのは理化学研究所で働く物理学者・友田(水田航生)、同僚の武山(上川路)、海軍中尉・狩野(久保田秀敏)ら。そして大家と娘、新劇青年など風変わりな住人が集まって起きる青春群像劇だ。作・演出のマキノだが、自身の演出は約20年ぶりという。出演者では霧矢大夢、加藤虎ノ介に注目している。

20/12/20(日)

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