有機農法など自然と共生するエコロジカルな農園や牧場などを描いたドキュメンタリーは、わが国をはじめ世界に多く見られる。本作もそうした作品であり、ロサンゼルスのアパートに暮らす若いカップルが2010年に殺処分寸前の保護犬と出会ったことから郊外に農場を作り上げる8年間を追ったドキュメンタリーである。200エーカーの広大だが荒れ果てた農地をふたりで耕しながら、次第に家畜を増やし、農作物を栽培し、果樹園を広げていくが、その理念は自然との共存。生態系を崩さずに、害虫さえも自然環境のひとつとしてとらえていくため、時には自然の脅威にさらされることがある。映画は一種の成果主義的な編集から功罪のすべてを描いていないとはいえ、自然と共生する農場の魅力を伝えてくれる。

20/3/11(水)