Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

洋画、邦画、時々アニメ 映画で人生が変わります

堀 晃和

ライター&エディター。記者歴27年、元産経新聞文化部長。映画と音楽と酒文化が守備範囲。

プラスチックの海

「百聞は一見にしかず」。ドキュメンタリーの意義を挙げるなら、まずはこのことわざを思い浮かべる。何度も聞くより、自分で見たことの説得力には勝てないからだ。 『プラスチックの海』の映像は、どれも衝撃的。そして強く訴えかけてくる。観ていると、宣伝文句にあるように「私たちには何ができるのだろうか」との自問を繰り返してしまう。プラスチックの削減に向け、多くの観客の背中を押すであろう優れた作品だ。 海辺で死んでいた鳥の腹を割くと、胃にはプラスチック片が詰まっていた。その数は234個。しかし、これまでの最高はもっと多く276個だったという。カメラはほかにも、数々の被害の状況をとらえていく。浜辺だけでなく、海面、海底にも、プラスチックはあふれていた…。 クレイグ・リーソン監督は、そんな世界各地のショッキングな映像と数字を交えながら、プラスチックによる海洋汚染の深刻な実態を報告していく。毎年800万トンものプラスチックごみが海に捨てられ、近年は5ミリ以下の「マイクロプラスチック」が問題に。多くの海洋生物に影響し、人への健康被害が懸念されている。 映像とともに、出演した海洋学者やジャーナリストらの警鐘も胸に響く。

20/11/10(火)

アプリで読む