言わずとしれた1973年の脱獄映画の名作がリメイクされた。旧作はスティーブ・マックイーンの主人公と、ダスティン・ホフマン演じる偽札づくりとの友情が深い感銘を残す作品だったけれども、今回のチャーリー・ハナムとラミ・マレック（『ボヘミアン・ラプソディ』のフレディ・マーキュリー！）のタッグも観る人の胸を熱くしてくれる。旧作は美しい音楽でも有名で、流刑地である南米ギアナの自然の美しさが印象的だったが、本作はそういう美しさの要素はほとんどない。ひたすら現実的であり、暴力的であり、ジャングルは薄暗く灰色で、流刑の恐ろしさがクローズアップされている。それが1970年代とは異なる21世紀的な映画のリアリズムだろうし、「いま」の物語としての訴求力を持っているのだと思う

19/6/17(月)