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ホラー、ミステリー、トンデモ映画が大好物
春錵 かつら
映画ライタ―
ブラックシープ
20/1/24(金)
ヒューマントラストシネマ渋谷
“わたしは良い羊飼いである。良い羊飼いは羊のために命を捨てる。” 『ゾンビーバー』以来、またもやおバカなモフモフC級ホラーが誕生した。本作のメインは4000万頭の怒れる羊だ。モコモコで臆病、聖書では信者のシンボルとされる善良なる羊。ところが本作の羊は、体は白いが心は黒い。 主人公の青年は羊恐怖症。なのに遺伝子工学で凶暴化した羊たちにより惨劇へ引きずり込まれるのである。彼らは肉食なだけでなく、噛まれた人間を羊化させる能力まで持っている。おそろしや。ニュージーランドの広大な牧歌的風景を舞台に繰り広げられる血と殺戮、その一部始終は一貫してシュールだ。 一見愛らしい容姿の羊を凶暴化させるとは、よくぞやってくれた。よく見ると実は目が笑ってないある種の“感じ悪さ”を彼らに感じていた私みたいな人間には、割としっくりくるという不思議。まあ、あのよく見ると感じ悪そうなところが逆に羊の可愛さだとは思うけど。
20/1/21(火)