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木谷 節子
アートライター
みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ―線の魔術
19/7/13(土)~19/9/29(日)
Bunkamuraザ・ミュージアム
19世紀末のパリの街角を華麗なポスターで彩ったアルフォンス・ミュシャ。本展は、彼の作品はもちろんのこと、60年代のレコード・ジャケットから戦後の少女マンガまで、ミュシャが後世に与えた影響を様々に紹介している展覧会だ。過去ミュシャ展はあまた開催されてきたが、今回はヒッピー・ムーヴメントの頃のグラフィック・アートとの比較展示などが目新しい。スタンレー・マウスのポスターなんて、たばこをくゆらすミュシャの作品《ジョブ》を、サイケデリックな色に変えただけだけれど、これはこれでカッコ良かった。とはいえ展覧会を観終わったあとの感想は、「やはりミュシャは凄い!」ということ。抜群の画力に装飾へのこだわり、そしてデザインのアイデア……。乙女チックなこそばゆさに、つい距離を置いてきたけれど、一周まわってその実力を再認識させられた。
19/8/9(金)