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水先案内人のおすすめ

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現代の名人芸を追い続ける

山本 益博

1948年生まれ 料理評論家、落語評論家、プロデューサー

志の輔らくご ~PARCO劇場こけら落とし~

渋谷のPARCO劇場が新装なって、そのこけら落とし公演が、旧劇場で毎年1か月にわたり恒例だった『志の輔らくご』。毎回、前座もゲストも出演させずに、ひとりで2時間半、まくらと落語本題の2席をしゃべりまくる。通常、落語家の『ひとり会』では、開口一番の高座で雰囲気を作り、ゲストで落語家のセンスをうかがわせるものだが、その常識を破ってしまったのが、立川志の輔ではなかろうか。 斬新なスタイルはそればかりではない。高座というより舞台で、スクリーンやステージを効果的に使って見せる。『歓喜の歌』の時には、ラスト、後ろ幕が開いて、噺のテーマのママさんコーラスがひな壇に並んで登場し、志の輔の指揮でベートーヴェンの『第九』の『歓喜の歌』を歌い始めたときには、本当に驚き、私は「ブラヴォー!」を叫んだ記憶がある。 「伊能忠敬」を主人公に据えた新作では、これまた最後にスクリーンに伊能忠敬が作成した江戸時代の日本地図を映し出し、そこへ現在の日本地図がスライドしながら合わさると、ほとんど差がなく重なるという、感動的なオチを用意した。 今回は、新装再開に因んだ『こけら落とし噺』と『メルシーひな祭り』の2席。どんな仕掛けが待っているのか、楽しみでならない。

20/1/9(木)

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