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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

我が心の香港~映画監督アン・ホイ

プロデュース作『花椒の味』に次いで公開されるのが『我が心の香港~映画監督アン・ホイ』。アジアの女性監督のトップランナーとして走り続けてきたアン・ホイ監督の前々作『明月幾時有』(2017)の撮影現場でのスタッフへの叱咤激励、老いた母親の介護と慎ましやかな日常生活、キャンペーン活動の舞台裏など今まで知り得なかった彼女の実像を交えて、その40年に及ぶ映画人生に焦点を当てたドキュメンタリー映画だ。アン・ホイの代表作『女人、四十。』でもコンビを組んだ『あまちゃん』『いだてん』の大友良英の繊細な音楽が素晴らしい。 素晴らしいといえば、アンディ・ラウ(劉徳華)、ツイ・ハーク(徐克)、ホウ・シャオシェン(侯孝賢)、ジャ・ジャンクー(賈樟柯)、ウー・ニェンチェン(呉念眞)など香港・台湾・中国映画界の重鎮たちが、彼女の人柄と作風を語るインタビュー・シーンが圧巻。一篇のアジア映画史になっている。 常に市井の人々の目線で歴史の流れを見つめ続けた74歳のアン・ホイ監督の、これからも香港と香港の人々のために“映画を撮りつづける”との発言が嬉しい。 監督のマン・リムチョンは、美術監督・衣装デザイナーを務めた『君のいた永遠〈とき〉』(1999/シルヴィア・チャン監督)で香港電影金像奨芸術監督賞を受賞。初監督 となる本作で2021 年香港電影監督会新人監督賞を受賞している。

21/10/15(金)

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