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水先案内人のおすすめ

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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

15ミニッツ・ウォー

ジョゼ・ジョヴァンニ監督、リノ・ヴァンチュラ主演『ベラクルスの男』(1967)に魅せられて以来、現在に至るも“スナイパーもの”偏愛嗜好から逃れられずにいる。 本作で描かれるのは1976年、フランス最後の植民地だったジブチで発生したバスジャック事件の顛末。高い狙撃能力を持つスナイパーたちによって編成されたフランスの対テロ特殊部隊・GIGN(ジェイジェン)が、正式に組織化される前夜に起きた“奇跡の人質救出”を描いたサスペンスアクション。 子どもたちを乗せたスクールバスが、武装テロリスト四人にジャックされる事件が発生。テロリストたちは同志である政治犯の解放と、フランスからの独立を要求する。仏政府は、事件解決のため極秘裏に編成した特殊制圧チームを派遣。指揮官のジェルヴァル大尉をはじめ、トップクラスのスナイパーで結成されたチームは、一斉射撃によるテロリストたちを瞬時にして同時排除するという前代未聞の作戦を立案するが……。 舞台になるジブチは、世界最貧国のひとつエチオピアと世界で最も危険な国といわれているソマリアの隣に位置し、1946年から1977年までフランスの植民地だった。 荒寥とした砂漠の国境地帯に停止したスクールバスを挟んで対峙する、ソマリアのゲリラ軍と制圧チーム軍とテロリスト集団。三者三様の手に汗握る死闘が、ラストの“15ミニッツ”で激突する。 人質の子どもたちは救われるのか、スナイパーたちの行く末は……。ここにも米ソ冷戦時代の暗い影が落ちていたことを知る。

19/10/9(水)

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