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日本で(多分)一番多くの映画を観る(年間800本!=新作、旧作も入れると…)映画評論家

野村 正昭

映画評論家

痛くない死に方

映画の前半で主人公の河田(柄本佑)は、良かれと思った延命治療で、末期の肺がん患者を苦しませ、死なせてしまう。「痛くない在宅医」を目指したはずなのに、結局「痛い在宅医」になってしまい、家族からも責められ、悔恨の念に苛まれる。後半、彼は在宅医の肝臓がん患者・本多(宇崎竜童)と向きあうことになる。大病院の専門医と在宅医の決定的な違いは何か。「病」以上に「人」と向き合うべきではないか。そして、人はどう死ぬべきか。身内を介護した者から言わせてもらえば、この映画をもっと早く観たかった。医療現場が切迫する現在だからこそ、この映画は絶対に必要だと思う。『TATTOO〈刺青〉あり』(82)、『愛の新世界』(94)と並ぶ高橋伴明監督の代表作であり、気が早いが、今年の日本映画の中で群を抜く傑作であることに間違いはない。

21/2/17(水)

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