Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

蘇る神代辰巳

『一条さゆり 濡れた欲情』10/27〜11/1 シネマヴェーラ渋谷 特集「蘇る神代辰巳」(10/12〜11/1)で上映。 名著『昭和の劇』で、『仁義なき戦い』について語った笠原和夫の言葉。 「『一条さゆり 濡れた欲情』を観た時、あの露骨さ、エゲツなさというのか、それが、ある種、感動的だったんですよ。(中略)例えば一条さゆりは、ズバリ、そのものを見せているわけでしょ。それで『仁義なき戦い』では、“オメコの汁でメシ食ってる”というセリフがある。あんな言葉は、本当は全部ひっかかるわけですよ。ただ、僕はその時はかまわないと思った。そういう解放感を与えてくれたという……非常にありがたかったですね。」 また別の本で、こうも書いている。 「一条さゆりは私を幸運に導いてくれた女神として、心の底に灼きつけられたのである」(『破滅の美学 ヤクザ映画への鎮魂曲』) 今さら説明するのも気が引けるが、本作は伝説のストリッパーとして有名な一条さゆりが自ら出演したロマン・ポルノの最高峰の一本。脚本・監督の神代辰巳の独特な作劇と演出が自由闊達に展開され、そのあまりに魅力的な映画話法が一躍注目された。一条さゆりのドキュメント部分と、若いストリッパー伊佐山ひろ子のフィクションを虚実巧みに描写し、ストリップに関わる人々の人間的な魅力と存在感を見事に謳いあげた。 劇中でヒモに扮した高橋明が歌う春歌『なかなかづくし』が、耳に焼き付いて離れない。 こりゃ 頭の真ん中 皿がある  顔の真ん中 鼻がある  こりゃ 足の真ん中ひざがある  背中の真ん中背骨ある  こりゃ お腹の真ん中 へそがある  へそ下三寸 下がったところに  結構なお寺が 三景勝 ロマン・ポルノと神代辰巳の存在を世に知らしめた傑作だ。

19/10/24(木)

アプリで読む