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クラシック、歌舞伎、乱歩&横溝、そしてアイドルの著書多数

中川 右介

1960年生まれ、作家、編集者

映画ドラえもん のび太の新恐竜

新型コロナのせいで映画館が苦戦しているので、応援の意味で初日に観に行った。そうしたら、予想していた以上に面白いというか、いい映画だった。 のび太たちは小学生だが、中学生か高校生くらいの精神年齢になっていて、青春映画の要素がある。ほのかな恋愛の要素もあって、ちょっとドキッとする。 ドラえもんたちは奮闘するが、倒すべき敵のいないドラマ。タイムマシンで太古の地球へ行くという設定さえ受け入れれば、展開されるのはかなりリアルな物語だ。 物語の基本構造は劇場版『ドラえもん』第1作『のび太の恐竜』(1980年)と同じで、のび太が恐竜の卵を見つけ、それが孵化して恐竜の赤ちゃんが生まれ、育てていくと、大きくなってもう家では飼えないので、恐竜がいた古代へタイムマシンで連れて行くと……となる。 しかし、単純なリメイクではない。恐竜が双子であることと、まだ発見されていない「新恐竜」というのがオリジナル版との大きな変化だ。それにともない後半のストーリーも変わっていく。最後は時間との戦いとなって、手に汗握る。随所でのドラえもんとのび太のドジが、すべて伏線になっていて、見事。 タイムパトロールのキャラクターとマシンはジブリっぽい。さらに後半の展開は『君の名は。』を思い出させ、そうか、脚本は川村元気だったかとエンドロールを見て思い出す。 木村拓哉がタイムパトロールのひとりを演じているが、エンドロールを見るまで木村だと気づかなかった。いわゆる「キムタク」を感じさせない。 1980年3月に映画『ドラえもん』は封切られたが、宮崎駿の監督第一作『ルパン三世 カリオストロの城』が封切られたのはその3か月前の79年12月。宮崎・ジブリ映画と映画『ドラえもん』はほぼ同時に始まり、同じ時間を共有しつつ発展していった。新海アニメの原点もこのあたりにあるのかなと思いながら見れば、アニメ映画の歴史を見ている気分にもなる。

20/8/11(火)

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