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水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

新進女優や新たな才能にフォーカスした作品を中心に紹介

イソガイマサト

フリーライター

新聞記者

東京新聞社会部記者・望月衣塑子の同名ベストセラーを原案にした本作は、原作と違い、フィクションの力で“権力とメディア”“組織と個人”のせめぎ合いを描いているところが素晴らしい。しかも、『青の帰り道』(18)、『デイアンドナイト』(19)などの俊英・藤井道人の筆致はここでも骨太で揺るぎがなく、クールな映像が全編を支配する不穏な空気とスリルを視覚化。 韓国の実力派女優シム・ウンギョンと松坂桃李が、新聞記者と内閣情報調査室(内調)の若き官僚として各々の正義をぶつけ合うのだからたまらない。特に、本作の松坂には驚いた。内調の上司(田中哲司)から不誠実な仕事を頼まれたときの苦渋な表情だけでもスゴいのに、ラストの2シーンではいままでに見たことのない彼の“素”がこぼれたような顔に心を締めつけられる。近年の松坂桃李の主演作の中では、個人的にはNo.1だ。必見!

19/6/24(月)

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