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日本で(多分)一番多くの映画を観る(年間800本!=新作、旧作も入れると…)映画評論家
野村 正昭
映画評論家
スノー・ロワイヤル
19/6/7(金)
TOHOシネマズ 日比谷
『96時間』などで果敢にアクションに挑むリーアム・ニーソンの主演最新作だが、今回は模範市民賞を受賞した除雪作業員が、息子をマフィアの勘違いで殺され、その復讐のために、マフィアと対立するネイティブアメリカンの組織、さらには警察をも巻き込むという凝った設定のドラマになっている。 もともとは、ハンス・ペテル・モランド監督が自作『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』(日本ではDVD発売)をセルフリメイクしたものだが、ニーソンが素手や除雪車を使って復讐する殺しのディテール、ユニークな死体処理の方法が見どころだろう。ニーソンが巧みに立ち回り、組織同士を戦わせるという構成は、黒澤明監督の名作『用心棒』を彷彿させるが、白銀の世界での復讐劇は、全ての情念を浄化しているようにも見える。
19/6/3(月)