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水上 賢治
映画ライター
彼らは生きていた
20/1/25(土)
シアター・イメージフォーラム
ピーター・ジャクソン監督が手がけた本作は、“戦争”ドキュメントというより、“戦場”ドキュメントといった方がふさわしい。100年以上前のこととは思えない感覚で、わたしたちは100年前の戦場と向き合うことになる。 100年前の映像を今に甦らせた技術に注目が集まってしまうが、ストーリーの構成もまた見事。若者がどうやって戦争に駆り出され、どういう過程を経て兵士となり、戦闘の最前線に立ち、最後になにが残ったのかを明確に伝える。この構図はおそらく今も変わっていない。そこに人類への痛烈なメッセージが隠されている。 もう1点、アーカイブ映像の可能性を追求した1作であることも付記しておきたい。
20/1/20(月)